2012年9月12日水曜日

ベーグルの歴史 その2
★アメリカへ渡ったベーグル★


 * * * * * * * * * *



ベーグルの歴史 その2


* * * * * * * * * *




★アメリカNYに渡ったベーグル★


さて、前回、ポーランドのユダヤ人が迫害をさけ

アメリカへと渡っていったところでお話は終わりました。




今回はその続きですー。




ポーランドをはじめとする東欧諸国から

アメリカへ渡ったユダヤ人の多くは、

東海岸のニューヨークマンハッタンの

ローワーイーストサイドという場所に定住し、

ユダヤ人コミュニティーを形成しました




もちろん移民としてアメリカにやってきたユダヤ人の中にも

祖国でパン職人だった人も大勢おり、

当時、ニューヨークでベーカリーを開店する費用は

比較的安かったため、1900年頃までには、

ユダヤ人の経営するベーカリーが約70軒くらい


ローワーイーストサイドで開店したと言われています。




このユダヤ人ベーカリーたちによって作られたベーグルは

ニューヨークのユダヤ人コミュニティーで多く消費

されはじめます。








当初のベーカリーの労働環境はと言えば、

作業場は大抵地下にあり、風通しが悪く、

更にベーグルを茹でる水で床はビチョビチョ、

カビなどが生えかなり不衛生な状態だったようです。




しかも、職人たちはベーカリーに住み込み。

作業場で寝起きし、労働時間は11314時間と長く、

休日もなかったとか。




今でもパン屋さんは重労働で、夏は窯の前はいくら

クーラーをつけていても温度が50度以上になって

しまい職人さんたちは汗だくで頑張っていますが

当時に比べれば、まだ全然ましなんだなあ。。と

実感してしまいます。




それにしても、休日もなく、作業場で寝起きだなんて

本当にかわいそうです!




1900年代初め、アメリカ各地では各界で、

労働環境の改善を求めて労働組合の結成が始まりました。




製パン業界も例外ではなく、

1937年にはニューヨークとニュージャージーの

ベーグル職人による「ローカル338」という組合が結成されました。




結果、ニューヨーク周辺ではこの組合に所属していないと

ベーグルが作れない、ということになり、

更に、新たに組合員になれるのは組合員の息子や親族に限る、

というきわめて閉鎖的な世界を、



なんと!!!1960年代半ばまで維持し続けたのです。




もちろん、ベーカリー界のオートメーション化自体は

1890年代に始まっていたのですが、この閉鎖的な組合が

機械の導入や組合員以外のベーカリーによるベーグルの

製造をことごとく阻止してきました。




この閉鎖的な組合のおかげで、長い間、ニューヨークの

ベーグルは、熟練した職人のハンドロールによって成形された

もののみ、、という時代が続いたのですね。




だからこそ、今でもニューヨークで機械生産のベーグルよりも

ハンドロールのベーグルのほうが人気なのだと思います。







ベーグルは最初、デリカテッセンや一般のパン屋への

卸売のみが行われており、客への直売はしていませんでした。




ハンドロールにこだわり、なかなか大量生産できなかった

ベーグルですが、釜(オーブン)に革命がおきます。




1960年代に、回転式のオーブンが開発され、

天板を入れ替える手間が省けたことにより

製造スピードが上がり、卸売だけではなく、焼き上げたベーグルを

店頭で直接販売するようになり

それによって、ユダヤ人以外のニューヨークの人々にも

ベーグルの存在が徐々に知られるようになったのです。





1962年には、材料を入れれば成形までしてくれる

ベーグル自動製造機が開発され、消費者が増えたベーグルは、

ニューヨーク近郊では機械で成形されるようになりました。





やがて、時代の流れには逆らえず、機械で成形された

ベーグルはニューヨークにも進出します。




また、ユダヤ人が比較的多い他の都市へ引っ越し、

そこで自分の店を持つという組合員も増え、

組合員数が激減した「ローカル338」はついに1971年、

解散へと追い込まれてしまいました。

組合に入っていなくてもニューヨークでベーグルが
作れるようになり、いまでもニューヨークには
いろんなベーグル専門店がいっぱいできました。


でも機械生産のベーグル専門店はあまりないですね。
やっぱり、昔から続いている伝統のハンドロールのベーグル
屋さんが非常に多いです。


やっぱり機械生産のベーグルは、きれいな輪っかに
なっているのですが、ハンドロールのベーグルの
つなぎ目がおいしいんですよね。

やっぱりハンドロールベーグルが断然おすすめです。



ちなみに、ベーグル自動製造機は日本にも少し入って
ただ、うちのお店には、ベーグル自動製造機はありませーん。

昔の、ニューヨークスタイルのまま、毎日毎日
ハンドロールでベーグルつくりに励んでおります。



0 件のコメント:

コメントを投稿